うさぎのうっ滞とは?
うさぎの最も多い疾患であるうっ滞(鬱滞)は停滞症とも言われ、文字通り腸の動きが低下し、食欲や便性状の低下がみられる病気です。
原因としては歯が舌や頬に刺さっているといった不正咬合が認められれば食欲低下の原因は明らかですが、そうでない場合は中々原因を特定するのは難しく、気候の変化や外部からのストレス、食餌によるもの、外傷など様々な要因が挙げられます。
診断は稟告や触診、レントゲン、血液検査などで総合的に判断します。
うっ滞の治療は補液、消化管運動促進薬などの内服薬、場合によっては強制給餌が基本になります。
個人的には補液が大切な治療と考えており、2,3日に1回以上の頻度で状態が上がるまで定期的に補液することで早期の回復が見込まれます。
ただ、補液や強制給餌などで状態が上がらない場合は入院での治療が必要になります。
うっ滞になりにくい丈夫な子にするには普段から粗繊維を多く摂取させることが重要になり、チモシー1番刈りを主体とし、補助的な立ち位置で健康的なペレットを与えるといった粗食が大切になります。
ただ、多くの方がドライフルーツやクッキー、グラノーラなどのおやつ類を与えてしまっているのが現状で、炭水化物(糖類)やタンパク質を過剰に与えると脂肪がつき、体質的に病気になりやすい身体になってしまいます。
また、おやつ類に慣れると嗜好性が変わってしまい、今まで食べていたチモシー1番刈りやペレットの食いつきが低下し、結果として摂取する繊維量の低下に繋がります。
以上より普段から健康的な食生活を心掛け、食欲や便の低下がみられたらすぐに受診、治療することで元気、長生きに繋がります。